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JACDS
2022.01.05

【年頭所感】日本チェーンドラッグストア協会 池野隆光会長

あけましておめでとうございます 本年も宜しくお願い致します。
新型コロナウイルスの感染や今もなお後遺症で苦しんでおられる多くの皆さまにお見舞い申し上げます。
昨年の今頃は、新型コロナウイルス感染症のまん延で悲壮感が世の中を覆っていました。あれから早1年が経過し、国民の7割がワクチン接種を終え、治療薬の承認も間近に控えるに至りました。医療提供体制の拡充など、コロナ対策の課題は山積状態ですが、「ワクチン・検査パッケージ」導入による大規模イベントの解禁や入国制限の緩和など、再成長へ向けた経済の動きまでやっと辿り着いた印象です。
世界中を震撼させた新型コロナパンデミックによって、私たちドラッグストアの事業環境は大きく変化致しました。お客様がご自身のお住まいの近くで買い物を済ませたいというニーズに合わせ、ドラッグストアでは(1)食品の取り扱い拡大(2)衛生関連商品の取り扱い拡大(3)調剤併設の拡大によって、引き続き収益の増大を図ることができました。結果的にドラッグストアの売上高は他の小売業と比較しても伸長率が高くなっているものと予想されます。
幕を開けた2022年、不確実性の高まる事業環境下において、私たちドラッグストアは国民のより快適な生活を実現するため、次のような重要ポイントを掲げ取り組みを進めてまいります。
(1)カーボンニュートラルに代表される環境配慮への取り組み
JACDSではSDGs推進委員会等を通じ、環境に配慮した持続的な事業活動に向けて取り組んでおります。私たちは、多くの生活必需品を取り扱う事業者としての責任を認識し、プラスチックごみの削減や回収などを通じた環境問題解決に積極的に取り組んでまいります。
(2)ドラッグストア調剤取扱高1兆円突破と薬剤師資質向上への取り組み
調剤併設型店舗の拡大によって、調剤取扱高は1兆円に達し、さらに拡大する見込みです。薬剤師採用も拡大しており、今後は薬剤師の資質向上が課題となってまいります。JACDSでは、会員企業の教育への取組を促すとともに、勤務薬剤師委員会等を通じて研修企画等を支援してまいります。
(3)医薬品登録販売者の資質向上への取り組み
JACDSのほぼすべての会員企業において医薬品登録販売者を雇用しています。医薬品登録販売者の役割は非常に大きく、資質向上への取り組みが欠かせません。JACDSでは、学術・調査研究委員会等を通じて、医薬品登録販売者による活用を想定した受診勧奨ガイドラインの策定に取り組み、教育活動を支援してまいります。
(4)行政書式統一や検査薬OTC化等改革要望の取り組み
各自治体で異なる行政手続書類の統一を切に希望します。また、健康状態を確認するための各種検査薬のOTC化による店頭取扱の実現など、ドラッグストアを取り巻く事業環境の整備が求められています。
JACDSでは、会員企業のさらなる成長に向け事業環境改善の要望を行ってまいります。

(6)他の業界団体との連携に向けた取り組み
JACDSでは、各方面の団体との情報交流を図り、地域住民のために発言力強化に向けた連携に取り組んでいます。
JACDS、日本薬剤師会、日本保険薬局協会との間では、薬業三団体としての連携をより緊密にして、国民の健康・医療問題に取り組んでまいります。
また流通企業団体とは、市民生活を守るため経済環境の変革を提案してまいります。
事業拡大に伴い、社会での責任も拡大します。ドラッグストア業界が大きくなることは、社会的責任も大きくなっていることをあらためて認識しなければなりません。国民の医療や健康・環境問題に積極的に取り組み「尊敬される企業集団JACDS」をさらに一歩前進させる決意で取り組んでまいります。
本年が皆さまにとって良い年となりますよう、お祈り申し上げます。

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