2012年6月 薬局新聞 主要掲載記事
6月27日号
卸と薬局の溝深く 価格決定に打開点見えず
 卸との価格決定への道程は険しい――。日本保険薬局協会(NPhA)は、会員に対して『医療用医薬品購入価格決定プロセスの実態調査』を実施し、このほどその結果を公表した。しかしながら、取引をしている卸から「価格提示があったのは0社」が約半数に達したほか、「仮覚書を締結したのは0社」も6割以上となったことが明らかにされた。NPhAは「(卸か調剤薬局かの)どちらかが悪いという調査ではなく、まだまだ検証が必要」と分析し、原因究明を先送りにしたが、依然として卸とチェーン調剤薬局の価格交渉には多くのハードルが待ち構えていることが浮き彫りとなったと言えそうだ。

日薬、被災地でのお薬手帳活用事例まとめ
 手帳というアナログ媒体が電力供給に左右されずに活用された――。日本薬剤師会は、東日本大震災におけるお薬手帳の使用状況を収集した調査結果をまとめた。それによると医療関係者だけでなく、患者自らも医療情報を所持することが有効であることが示唆された。調査は昨年9月から11月の2カ月にわたり収集され、849件集められたもの。

在宅患者訪問薬剤管理指導の生活者認知向上へ
 生活者の多くは薬剤師の在宅患者訪問薬剤管理指導を知らない――。あおぞら診療所高知潮江の院長・和田忠志医師(写真)は、在宅方面への薬剤師の進出がまだまだ足りないと指摘するとともに、薬剤師がいることで多くの在宅患者にメリットが生まれると述べた。これは先日開催された全国薬剤師・在宅療養支援連絡会(J−HOP)の総会の中で講演したもの。
 
AJD、新執行部体制でVCの機能・役割を模索
 オールジャパンドラッグ(AJD)は20日に都内でチェーン全国大会および総会、株主総会を開催し、江黒純一・クスリのマルエ社長に代わってスギヤマ薬品の杉山貞之社長を新本部長/株式会社社長とする新執行部を固め、取引先関係者に対する方針発表を行った。今後の重点課題では環境変化に伴った組織改革や商品開発政策のほか、組織的なジェネリック医薬品(GE)対応も検討するなど、商品の共同販売に限らない新たなボランタリーチェーンの機能や役割を模索する方向性が示された。

緑健会、カウンセリング手法学び売上向上へ
 大和生物研究所が発売する医薬品「ササヘルス」の販売組織「緑健会」(石郷岡幹雄理事長)は先ごろ、京都市内で緑健会全国大会を開催した。当日は、全国の会員薬局・薬店の経営者ら150人が参加して好調な売上げを維持している会員の発表などに耳を傾けた。



6月20日号
厚労省、アレルギー用薬2成分のスイッチを了承
 医学会と薬学会の折衷案の前例となるか――。厚生労働省の薬事・食品衛生審議会は一般用医薬品部会を開き、2成分2品目のスイッチ化を了承するとともに、1成分の「医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用」を了承した。特に医療用医薬品成分からの一般用への転用では、『ヒアルロン酸ナトリウム』を一定の条件下で了承。同成分は平成20年に候補リストとしてあげられたものの、継続審議扱いとなっていた。その後も医学会と薬学会の折衝が続けられ、足掛け4年での一般用への転用となる。全体的に足踏み状態にある画期的成分のスイッチ化に向けた好例となる可能性もある。

サノフィと久光が合弁会社設立へ
 サノフィ・アベンティスと久光製薬は、アレルギー関連治療薬(OTC薬)のマーケティングを目的とした合弁会社「久光−サノフィ株式会社」を設立すると発表した。サノフィ・アベンティスが申請したスイッチ成分「フェキソフェナジン塩酸塩」(販売名=アレグラFXなど)のマーケティングを担当することが確実視されている。新会社は7月2日の設立を予定している。

薬局でのGE使用促進「情報」がカギ
 ジェネリック医薬品を推進するためにはコミュニケーション能力が重要――。厚労省が先ほどまとめた「ジェネリック医薬品使用促進の先進事例等に関する調査」から、このようなポイントが示された。同調査はGE薬の使用促進の検討課題を洗い出すために行われたもので、都道府県・医療団体・医療機関・保険薬局の使用促進へのキーワードが提示されている。
 
日薬、新執行部の理事候補30人を公表
 日本薬剤師会は、公益社団法人の執行部となる理事候補者30人を公表した。6月23・24日に開催する初総会で代議員に信任を問い、了承されれば同日中に役職を任命・公表する運びとなっている。
 
OTC薬の広告55件に「注意」必要
日本OTC医薬品協会の広告実務部会の梅岡久部会長は、先ごろ都内で開催された第16回OTC医薬品等広告研修会の中で、最近のOTC薬の広告審査活動の状況について報告を行った。報告では、同協会が定める「OTC医薬品等の適正広告ガイドライン」に違反した事例はなかったものの、この1年間で注意が必要と判断できる事例が計55件あったとの指摘がなされた。この数は昨年の44件から増加傾向にある。



6月13日号
相談できる薬剤師へ理想と現実の溝
 生活者に相談される薬剤師を目指しているものの、セルフメディケーションに対しては控え目――。日本プライマリ・ケア連合学会が先日開催した『プライマリ・ケア認定薬剤師研修会』の中で、理想と現実の狭間で揺れる薬剤師の実態が浮かび上がった。参加者の多くが、生活者や患者から気楽に話しかけられる薬剤師を目指したい一方で、職場ではOTC薬をはじめとするセルフメディケーション関連には消極的で、調剤専門という側面が垣間見え、理想と現実には少なからずズレがありそうだ。同学会などに参画する薬剤師は比較的向上意識が高いだけに、現実と今後に対する危機感を抱いての自己研鑽に期待したい。

日薬、サリドマイドの院外調剤を要望
 サリドマイドも院外製剤として検討してもらいたい――。日本薬剤師会は、厚生労働省が募集している『サリドマイド安全管理手順』および『レナリドミドの適正管理手順』の見直しに関して、2剤ともに「分業に足りうる医薬品」として院外調剤の検討を意見として提出した。

漢方薬の郵送販売禁止 97%が「困る」
 現在、郵送で漢方薬を購入している生活者のうち、郵送販売禁止になると9割以上が困ると回答していることがわかった。これは日本漢方連盟、横浜薬科大学、日本配置販売業協会らが中心となって立ち上げた『漢方和漢薬調査研究審議会』(理事長=根本幸夫)が実施した「漢方・和漢薬郵送購入1000人アンケート」で明らかになったもの。同会は「一定の規制緩和は必要」と要望している。アンケートは本年1月23日から3月9日まで実施した。有効回答数は1414枚。
 
協励会、地域貢献の基本姿勢変えず繁栄目指す
 日本薬局協励会の前納秀夫会長は先ごろ本部で行った記者会見で、今期から一般社団法人として再出発を果たしたことについて説明し、「一般社団法人へ移行しても地域社会に貢献する公益な団体としての意識を維持しながら、(会の選定品を供給する)日邦薬品工業と一体となった運営が行えるようになることでは、むしろプラスになるとの認識にある」と、選定品を通じた推奨販売力の強化を中心により効果的な経営強化策に乗り出す意気込みを示した。
 
大木、高齢化と成熟化キーに潜在需要掘り起こし
 大木の松井秀夫社長は、先ごろ都内で開催した決算説明会で09年4月から12年3月までの中期経営計画を終えて売上高1500億円、売上げに占める販管費の割合5・5%の2つの目標を達成したことを報告した。一方、0・38%に終わった営業利益率については「積み残し課題」として、引き続き1%を目指す方針を強調。今年4月から15年3月までの新たな中期経営計画では、「高齢化ニーズ」と「成熟化ニーズ」の2つをキーワードにした新たなカテゴリー提案などに力を入れることで営業利益率1%を確保したいとした。合わせて、新中期経営計画の期中に東京証券取引所へ上場する計画にあることも明らかにした。



6月6日号
受取率全国平均66.6%、進み続ける医薬分業
 医薬分業の“右肩上がりの印象”はしばらく続きそうだ。日本薬剤師会がこのほど公表した保険調剤の動向によると、受取率(分業率の全国平均)は過去最高に達し、また調剤点数も前年比5〜10%増という上昇傾向が示された。一説では頭打ちになったとされている分業も、数字のうえからは依然として高い上昇率を見せていると言えそうだ。その要因としてあげられるのが「長期投与」と「医薬品の変革」であると日薬では分析する。先の診療(調剤)報酬改定では、分業の有用性に対して同じ医療側から疑問視されたことは記憶に新しい反面、当面の間はこうした批判は避けられそうもないと言えそうだ。

日薬の生涯学習システム『JPALS』登録者数が約3700人に
 日本薬剤師会が4月からスタートした生涯学習システム『JPALS』の登録者数が、開始1カ月で約3700人にのぼったことがわかった。日薬は今後も参加を呼びかける方針という。JPALSの登録者数は合計3711人で、内訳では日薬会員3534人、非会員176人、学生1人となっている。このうち最も多いのは会員地域は北海道の333人で、以下兵庫302人、大阪278人で、最も会員数の多い東京は、138人に留まっている。


医薬品卸大手4社「総価を死語へ」が各社共通の合言葉に
 医薬品卸大手4社の12年3月期の決算は、未妥結・仮納入の解消、総価取引の是正など各社が適正利益確保に向けた取り組みを強化した結果、3社が増収増益を確保するなど全体的に利益面で回復の兆しが見られた。今後、4社が特に期待をかけるのは、日本保険薬局協会(NPhA)と合意に至った「契約条件の事前明示とそれに伴う取引基本契約書に基づく覚書の締結」だ。これによって遡及値引きの禁止や価格情報漏れの防止などに結び付けるとともに、NPhA以外の病院や薬局にも広げていきたい考えだ。
 
全薬協、厚労省GLに沿った研修事業に総力
 全日本医薬品登録販売者協会(全薬協、岩元龍治会長)は先ごろ公益社団法人移行後初となる定時総会を開き、登録販売者の資質担保を目的に厚労省がまとめたガイドラインに基づく研修認定事業に全力で取り組む方針が打ち出された。今年度から実現した公益法人化で登録販売者の職能団体としての存在感を強め、全国各地の協会で総力をあげてGLに対応した研修事業を展開することにより、旧薬種商時代から深刻化する会員減退、組織力低下という厳しい状況を打開する構えだ。
 
協励会東京合同支部、新体制で組織活性化へ
 日本薬局協励会の東京合同支部は先ごろ総会を行い、24年度事業計画および予算を承認可決するとともに、任期満了に伴う役員改選を経て神谷明宏氏(神明堂薬局)が合同支部長に就任し、新たな体制のもとでさらなる組織の活性化を進めていく方針が示された。

当Webサイトのコンテンツの著作権は株式会社薬局新聞社およびその情報提供者に帰属します。
当Webサイトに掲載されている記事等の無断転載はお断りします。
copyright 2005 yakkyoku-shimbun.Allrights reserved.NO reproduction or repubulication without Written permission