2011年11月 薬局新聞 主要掲載記事
11月30日号
医薬品卸カテゴリ別の価格交渉≠ェ共通課題に
 医薬品卸大手4社の2012年3月期第2四半期決算が出揃った。各社揃って増収減益となり、依然として厳しい価格交渉や、卸間での価格競争が行われている状況が改めて浮き彫りとなった。加えて、新薬創出加算対象品目やGE薬の増加、長期収載品の減少などが厳しい状況を後押ししている状況もあり、今後の共通課題としてカテゴリ別の価格交渉の推進の必要性が各社トップから指摘された。こうした中で、一部病院団体幹部から医薬品卸不要論≠フ指摘も受け、日本医薬品卸業連合会としてこれに反発。各社が打ち出す取組みによってこうした指摘を払拭できるのか、専業卸としての正念場と言えそうだ。

東京都、CR容器本格導入に向け生活者の声収集
 東京都は、都内在住の子どもを持つ世帯約7万6000人を対象に、チャイルドレジスタンス容器(CR容器)の導入実証実験を実施している。今春都が取りまとめた「子ども用水薬のCR容器に関する提言」を受けての取組みで、都内254薬局と3病院の協力して行われている。都はCR容器の本格的な導入に関する基礎資料にしたい考えだ。子どもによる医薬品の誤飲事故は、たばこの誤飲に次ぐ2番目の多さで、抜本的な見直しの必要性も指摘されている反面、容器の規格や価格のバラつきなどから、生活者・医療現場への負担など、クリアすべき課題も少なくない。
 
日本薬学会、スイッチ促進へ医学会と意見調整 
 日本薬学会は先ごろ開いた記者会見で、医療用成分のOTC薬転用に関し、厚労省の指導のもとで日本医学会と意見調整を図る方向で準備を進めていることを明らかにした。国がセルフメディケーション推進の観点から進めている医療用薬のスイッチOTC化では、平成19年から年度毎に薬学会が厚労省の委託を受けて候補成分を選出しているが、医学会・医療方面の反対で目玉となる成分が軒並み見送られている情勢から、前向きな議論に向けて折衝の場が設けられる形だ。

薬・食審、アンブロキソール2類移行を正式了承
 薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会は会合を開き、「アンブロキソール」および「イソコナゾール」(ともに告示名)のリスク区分について検討し、アンブロキソールの2類移行を正式に了承した。また、一般用医薬品の使用上の注意記載要領の変更が報告され、第1類を除く全ての添付文書の相談することの項に「登録販売者」が追記されたことが述べられた。

製薬協加盟上場26社、海外事業の苦戦影響で減収減益に
 日本製薬工業協会は、上場している会員企業26社の平成24年3月期第2四半期決算の概況と通期業績見込みを公表した。26社の売上高は昨年比2・8%減となる4兆753億円となり、営業利益、経常利益、純利益も共に減益となった。売上高において増収となったのは14社で12社が減収となった。国内では、GE薬の伸長や販売権返還の影響を受けた一方で、新製品が売上げに寄与し1・1%増と増加で推移したが、海外で一部主力の特許満了や円高の影響を受け8・8%減となった。



11月16日号
高知県薬、血圧測定など機能強化で町の健康相談所へ
 高知県薬剤師会は、県内の約100薬局で「薬局等における自己血圧測定等相談事業」を実施している。同事業は適切なタイミングにおける受診勧奨を促すと同時に、薬局は誰でも気軽に立ち寄れる健康相談所としての機能を改めて地域に訴える考えだ。さらに活動を通じて収集した受診勧奨・相談事例をベースに、スイッチOTC薬の推進に活用する構想もあるという。先日公表されたスイッチ候補成分に対する日本老年医学会の反対意見に代表されるように、薬局・薬剤師に対する医学会からの疑問は依然として根強い。薬局は医療法に明記されたものの、現場から発信される調剤以外の役割が弱い点も否めないところであり、こうした地域をあげての実績収集事業がどのような広がりを見せるか注目が集まる。

GE普及目標達成に「一般名処方」採用を
 医師が一般名処方を行うことについてどう考えるか――。9日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)において、後発医薬品の使用促進のための環境整備について議論され、その中で薬局の在庫負担軽減のために医師の一般名処方を行う案が提示された。前回改定で処方せん様式の変更がなされたところであるものの、進捗状況は遅々としているところであり、政府目標である数量ベース30%に向けて、更に踏み込んだ変更案が示された格好だ。
 
日薬、システム構築し生涯学習への取組み推進 
 日本薬剤師会は現在生涯学習支援システム構築を進めているが、日本薬剤師研修センターなど15団体が実施している『薬剤師認定制度認証機構』の認定薬剤師などであれば、当初からレベル5からスタートできることがわかった。薬学教育6年制や、医療の高度化・複雑化に伴う在宅医療、チーム医療をはじめ、職能の広さに加えて質の高さが問われていることを鑑み、日薬は生涯学習を推進している。

厚労省・武田参事官が社会的責務果たす取組み推進を指摘
 厚生労働省の武田俊彦政策統括官参事官・社会保障担当参事官室長は、6日に行われた第5回日本薬局学会学術総会の特別講演で社会保障財政的観点から見た保険薬局の現状について、「医薬分業という外的要因で伸びてきたがために、財源を獲得していくことが如何に社会的責任を伴うかを必ずしも自覚することなく業界として大きくなっているのではないか」と述べ、報酬規模に応じた社会的責務として後発品(以下GE)使用促進や在宅医療などへの一層の対応を要請した。調剤薬局企業の業界団体である日本保険薬局協会主催の場としては痛烈な指摘で、次期診療報酬改定を控えて保険薬局に対する政策姿勢を改めて印象づけるものと言えそうだ。

グローウェルHD、ブランド力向上へ「ウエルシア」に社名変更
 グローウェルホールディングス(HD)は本年度中に社名を「ウエルシア」へ変更する。先ごろ都内で行った23年度決算説明会で鈴木孝之会長が明らかにしたもので、グループのブランド力と統率力強化を目的に実質的な基幹事業会社であるウエルシア関東を名実ともに中核に位置付ける格好となり、高田薬局との経営統合で誕生した“グローウェル”は3年で早々に路線変更に至る。



11月9日号
調剤に係るポイント付与問題、来年4月から原則禁止で決着
 保険調剤に係るポイント付与が来年4月1日から原則的に禁止されることになりそうだ。11月2日に開催された中央社会保険医療協議会総会で、調剤ポイントサービスについて議論されたもので、ポイント付与について「医療保険制度上、ふさわしくない」と言及し、同サービスを認めないことを表明。その一方、クレジットカードや電子マネーによる支払いで発生するポイントについては、例外的事項として認める。今後は療養担当規則を改正する方向で調整に入る。ただ、本年1月時点において、常識的なポイント付与ならば問題なしとの見解が厚労省から示されていることもあり、既に同サービスを導入している調剤薬局やDgSからの反発も考えられる。ともあれ、昨年から続くポイント問題に対して一定の幕引きを狙った格好だ。

保険調剤中心に全体収益は4・4%増
 中央社会保険医療協議会(中医協)は、診療報酬改定の基礎資料となる医療経済実態調査を公表した。同調査は病院・診療所・歯科診療所・保険薬局を無作為に抽出し、経営状態などについてアンケートするとともに、現場の実態把握のために2年に一度行われている。平成21年6月と本年6月のデータを比較した。保険薬局は863軒の回答を得ている。保険薬局の状況は、収益1352万3000円で21年6月の1295万3000円から4・4%上昇。収益の内訳を見ると保険調剤が1313万4000円(構成比96・9%)となっており、前回の1242万7000円(同95・8%)から5・7%伸びているものの、保険調剤による収入に依存していることがわかる。一般用医薬品などが含まれるその他薬局事業収入は35万6000円(構成比2・6%)だった。

全処方せん7億2900万枚中、疑義照会率約3% 
 日本薬剤師会は平成22年度「薬剤服用歴の活用、疑義照会実態調査」結果を公表し、疑義照会発生割合は約3%にのぼることを明らかにした。過去の同調査においても同じような傾向が示されており、日薬は調剤報酬改定議論などの資料として活用する構えだ。調査は本年2月14日から20日の間に行なわれ、727薬局(8836人分)から回答を得た(回収率71・8%)。調査期間内に応需した処方せん枚数の平均は402・6枚で、このうち疑義照会を実施した平均件数は12・7件、疑義照会の発生割合は3・15%だった。

厚労省医薬品第二部会、審議・報告品目8成分了承
 厚生労働省は医薬品第二部会を開催し、審議品目3成分、報告品目5成分をそれぞれ了承した。今冬の薬事分科会で正式に承認される見通し。審議品目はMSDが申請した『ロタテック内用液』(一般名=5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン)で、効能・効果はロタウイルスによる胃腸炎の予防とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。アストラゼネカの『イレッサ錠250』(一般名=ゲフィチニブ)は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんに効能・効果を変更する。厚労省は「同症例に対する第一選択薬となる方向」という。

スギHD創業35周年、「一人の顧客を大事に」の理念継続
 スギホールディングスは創業35周年に際して先ごろ名古屋市内で取引先関係者に対する政策発表会を開き、中期計画に掲げる2015年度売上高5000億円・1500店舗の達成、さらには20年度に1兆円を目指す将来ビジョンに自信を示した。早期から薬局形態での多店舗展開を進め、DgS業態の発展に加えて近年は面分業の進展も追い風に最大手グループへと急浮上するとともに、高齢化社会に伴う在宅医療の加速を想定したビジネスモデルの勢いを改めて打ち出した。



11月2日号
浸透しないかかりつけ薬局≠フ課題
  かかりつけ医師は欲しくても、かかりつけ薬局はあまり必要ではない――。調査会社インテージが実施した『今年のOTC医薬品市場の状況とセルフメディケーションに関する生活者意識調査』から、このような傾向が明らかとなった。特に男性において、かかりつけ薬局は不要とする意見は根強く、前回調査からも増加している。その要因については分析されていないものの、これまでと同様の啓発方法には限界があることが示唆されたと言えそうだ。

OTC市場も震災の影響か4月から8月前年比マイナス 
 調査会社のインテージは今年1月から8月までのOTC医薬品市場の状況について公表し、震災前までは好調に推移していたものの、4月以降は前年割れにあることを明らかにした。1月から3月までの売上げ金額は、各月前年比1・5ポイント、1・0ポイント、6・7ポイント増加したものの、4月以降は横ばい状態から5・3ポイント3・6ポイント、4・9ポイント、5・1ポイントそれぞれ減少している。インテージではこの8カ月間の動向について「3月までは花粉が飛散したのと同時に、震災による買いだめが影響したと考えられる。4月以降は不況と一種の買い控えが発生したのではないか」と分析を加えている。

漢方原料生薬の一部から放射性セシウム検出 
 厚生労働省は漢方生薬製剤に用いる原料生薬の一部から放射性セシウムが検出されたと発表した。日本漢方生薬製剤協会が3月以降に17都県からの原料生薬の放射性物質を検査した。日漢協によると35生薬109検体のうち9生薬23検体から放射性セシウムが検出された(このうち食品衛生法の暫定基準値を超えるのは3生薬9検体)。


日本一般薬連、セルフメディケーション振興へ要望書提出
 日本一般用医薬品連合会は10月21日、「セルフメディケーション振興等に係る要望書」を厚生労働省に提出した。要望書は、年々増加する医療費の抑制にセルフメディケーション振興政策が有効であることを主張する一方で、その振興には専門家の指導による安全性の確保が必要であることも鑑みた上で作成されたもので、「セルフメディケーションの推進と国の支援」「スイッチOTC化の促進」「一般用医薬品等の取扱い見直し」の3項目を柱にしている。

日漢連、郵送販売問題の打開策に「安全性審議会」設置
 漢方薬の郵便販売の再開を求める薬局・薬店などが参集している『日本漢方連盟』(代表理事=根本幸夫・漢方平和堂薬局代表)は、先ほど第2回総会を開催し、次年度の事業計画などを了承した。23年度の事業計画のうち、「郵送問題への打開策」(根本幸夫会長)と期待を寄せるのが、来春にも横浜薬科大学内に設置する「安全性審議会」。これは漢方薬・生薬製剤の安全性を第三者機関の視点から実証・検証する会合で、「安全性を立証して問題がないということを厚労省に提出する」ことを視野に入れている。また、漢方薬のデータベースとしても将来的には活用していくことも展望しているという。

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