2011年10月 薬局新聞 主要掲載記事
10月26日号
日本老年医学会、セルフメディケーション推進に否定的見解
 人口の高齢化が益々進む中、セルフメディケーションを推進することに反対する――。日本老年医学会は厚生労働省が提示したいわゆるスイッチ候補成分への意見で、セルフメディケーションそのものを全面的に否定する意見を提出した。主要な医療用薬のOTC薬への転用に対する医療からの反発は依然根強いが、国策として掲げられているセルフメディケーションという考え方自体に反対を表明するという展開は異例だ。同学会では「高齢者の薬物療法上の特性を鑑みれば、少しでも有害事象の危険性のある薬剤は医師の管理のもとに処方されるべき」とコメントしており、高齢医療のあり方にも踏み込んだ議論が展開される可能性も出てきたと言える。

糖尿病診断、1年間で538人が検査、3割に受診勧奨 
 昨年10月から東京都足立区内9カ所の薬局店頭で、指先HbA1c測定を続けてきた糖尿病アクセス革命事務局(代表=矢作直也・筑波大学大学院内分泌代謝・糖尿病内科准教授)は、1年間の成果をまとめた。測定結果は、足立区内のプロジェクト参加薬局において10年10月から11年9月までの1年間に測定を希望した男女を対象にしたもので糖尿病治療中の患者は除外した。糖尿病が強く疑われる数値をHbA1c6・1以上、予備軍を同5・6〜6・0に分けて調査した。その結果によると、参加薬局で実際に検査を受けたのは男性233人、女性305人の計538人で、そのうち糖尿病が強く疑われたのは約13%、糖尿病予備軍と疑われたのは約16%、全体の約3割に当たる約150人に受診勧奨を行ったという。

GE薬価のバラつきが使用促進の障壁に 
 中央社会保険医療協議会(中医協)は19日、薬価専門部会を開催し、後発医薬品の薬価等に関する基本的な検討方向を確認した。 会合では、後発医薬品(GE薬)の薬価の現状について厚労省から説明が行われた。平成22年現在の医薬品数量におけるシェアは、数量ベースで22・4%に留まっており、その理由として患者側の「GE薬に変更しても医薬品代が安くならない」ということや、薬局側からの意見として「採用基準として他のGE薬より安価」などがあげられ、GE薬の薬価にバラつきがあることが患者・薬局の双方にとって使用促進の障壁となっていることが示唆された。

OTC薬活用の軽医療推進に向け立場超え議論
 NPO法人セルフメディケーション推進協議会(SMAC)は10月15日と16日、八王子市内で第9回日本セルフメディケーション学会を開催した。今回の大会テーマは「地域コミュニティのセルフメディケーション支援に向けて」で、OTC薬を活用したセルフメディケーション推進のあり方や、そのための薬局の可能性などがピックアップされた。特に初日のテーマ発表では、近年市場が縮小気味にあるOTC薬について開局薬剤師や登録販売者などがその問題点を指摘しながら普及促進につなげるためのヒントを提示した。

エスエス製薬、エピナスチン塩酸塩をスイッチ
 エスエス製薬は25日、親会社の日本べーリンガーインゲルハイム(BI)からの初導入となるエピナスチン塩酸塩のスイッチOTCアレルギー専用鼻炎薬「アレジオン10」を発売した。医療で汎用される実績・知名度を強調したマーケティング戦略を通じ、「OTC業界全体の活性化の契機とすべく全社をあげて取り組む」(腰高和宏取締役マーケティング本部長)との意欲を示しており、OTC市場ではロキソニンに続く大型1類薬として来年の花粉シーズンに向けた動向に注目が集まる。



10月19日号
全国の薬剤師へ被災地から届けるメッセージ
 「普段からの医療連携」、「地域との人脈・コネクション構築」、「決断を連続する力」――。10月9日に開催された『東日本大震災復興祈念式典・シンポジウム』(主催=日本薬剤師会・岩手・宮城・福島各県薬剤師会)において、災害時における薬剤師職能のあり方が多角的に提示された。薬剤師法第一条に記されている「調剤から医薬品の供給、公衆衛生の管理」の遂行に加えて、改めて強調されたのが、広範囲にわたる人と職能との連携だ。奇しくも医薬分業の有用性への疑念、在宅医療への停滞など、薬局・薬剤師の役割が問われている中で、大震災という極限の状況で浮かび上がった“ボランティア薬剤師の姿”は、それらに対する答えとして、これからの薬局・薬剤師の道を示しているように見えた。

日薬会長会、「これまでにない流れ」を強調 
 日本薬剤師会は8日、第3回都道府県会長会を開催した。東日本大震災に関する報告や調剤報酬改定を睨んださまざまな施策が実施されることを控え、これまで以上に会員への協力を促した姿勢が強調された。冒頭に挨拶を行った児玉孝会長は、震災支援ボランティアへの感謝を述べるともに避難所における薬剤師とお薬手帳の活躍などをあげ、「こうした評価を重ねることが重要」と指摘した。また、9日のシンポジウム当日には現役の厚労相である小宮山洋子大臣が出席することなどをあげ、「これまでにない流れ」にあることを強調した。

薬の適正使用に意識低い生活者へ啓蒙を 
 薬を適正に使用しない人の多くは医療者の指示を守ることへの意識が低い――くすりの適正使用協議会は先ごろ行った調査結果をもとに、このような生活者意識を考慮した啓蒙活動の必要性を強調している。同協議会が定期的に実施している生活者調査によると、「処方された医薬品を正しく指示通り使う」という層は4割にも満たない。この背景を探った今回の調査では、さらに生活者・患者が自己判断で薬の使用を決めている状況が浮き彫りにされ、改めて専門家としての関与のあり方が重視されるところとなっている。

日薬、在宅医療に関する調査実施へ
 日本薬剤師会は在宅医療に関する調査を実施する。診療・介護同時改定を控え、調剤報酬に関する議論が行われる11月末までにまとめる方針だ。調査は日薬サポート薬局500軒を対象に行われ、在宅医療の実態および無菌調剤の状況について調べる。在宅患者訪問薬剤管理指導の届出や麻薬小売業の免許の取得状況についても併せて行う。
 
スギHD、約200人の新卒薬剤師採用を見込む
 スギホールディングスの杉浦広一会長兼CEOは先ごろ開いた24年2月期第2四半期決算の説明会で、来年度に約200人の新卒薬剤師採用を見込むとともに、「臨床を学んだ即戦力となる6年制薬剤師が採用できることで、調剤や在宅医療、1類薬の販売など、よりスギ薬局らしい業態が本格的に加速できる」とし、薬剤師を前面に押し出す経営戦略の強化に期待感を示した。



10月12日号
加速するスイッチOTCのリスク引き下げ
 スイッチOTC薬の第2類移行が加速している。先ほど開催された薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会で『アンブロキソール塩酸塩』の第2類への移行をほとんど意見交換することなく了承。また、「医師の診察を受けた後の再発治療薬」として承認されている『イソコナゾール膣錠』についても、僅かな議論を交わす程度で審議されるに留まった。会合としては第2類への移行も止むなしとの雰囲気が漂ったが、薬系委員の意見により首の皮一枚で第1類を維持。さらに部会では、「再発治療薬」というシバリに関しても、一定の見直しが必要とも捉えられる発言が示されるなど、ここにきて第1類を取りまく空気が怪しくなってきた。

特定看護師試行業務の中間報告に賛否 
 チーム医療推進のための看護師業務などについて検討している『チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG)』は3日に第16回会合を開催した。特定看護師などが設定した項目などについての報告が行われた一方、依然として医師側からの特定看護師に対する反発は根強く、議論が膠着する一幕もあった。

中医協、医療効率化と在宅重視の点数確認 
 中央社会保険医療協議会は5日に総会を開催し、入院・外来・在宅医療に関する総論を提示した。次期改定を半年後に控え、いよいよ議論が本格化しつつあると言えそうだ。この日の総会は、具体的な項目に関する検討はなされず、今回の改定に臨むうえでの前提事項や平成18年から継続している医療の効率化と、在宅医療の推進などの手厚い点数配分を行う分野などを確認した。

一般薬によるSM振興へ17件助成対象選定
 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団(佐藤誠一理事長=佐藤製薬社長)は、4日に都内で本年度助成事業の公表をかねたシンポジウムを開催した。6回目となる23年度は調査・研究14、啓発事業等3の合計17件の助成対象を選定。薬局などで実施できる生化学検査薬の開発(摂南大学薬学部・河野武幸教授)や、離島におけるOTC薬市場実態調査・適正使用推進提案(長崎県薬剤師会・平山匡彦理事)など時流を反映した取り組みほか、薬剤師のOTC薬による軽医療介入のための研修会(上田薬剤師会・山浦知之理事)といった他財団にはない特色として現場活動を直接支援する姿勢を通じ、OTC薬によるセルフメディケーション(以下SM)振興に働きかける。
 
クラスA薬局ネット、全国紙で従来型の薬局との差別化PR
 メディセオグループの取引薬局約5000店舗の経営支援組織・クラスAネットワーク(橋本薫会長)は、10月1日付朝日新聞全国版に全頁広告を掲載し、地域の身近な健康相談拠点を標榜する「ヘルスケア・プロショップ宣言」を打ち出した。調剤を主体とした加盟店に対し、「処方せんがなくても立ち寄れ、専門家に相談できる地域の健康を応援する薬局」をアピールするもので、統一のブランド戦略を通じて従来型の薬局との差別化を図る新しいサポート戦略として注目される。



10月6日号
医薬分業の真の意義∴き出す変革確実に
 薬剤師に対する行政の指導の潮流が変わってきたことを肌で感じる――。本紙連載「薬局薬剤師最前線」筆者の横井正之氏(パスカル薬局)は、来年に迫る“6年制薬剤師時代の幕開け”にも絡む現場の感触の1つとしてそう指摘する。保険請求に関わる従来の指導では、医師の指示重視で実質的に薬剤師自身の裁量や判断を狭める「手取り足取りの幼稚園型」傾向にあったのに対し、処方監査機能などで主体的な職能発揮を促す雰囲気が強くなっているという。ここへきて医薬分業の意義、また調剤薬局に対する社会的な風当たりが強まるなか、新しい世代を迎える節目に改めて薬局・薬剤師本来の機能を引き上げる変革の兆しは確実に出てきている。

診療報酬改定、災害時医療体制なども視野に 
 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は先ほど一般用医薬品のリスク区分の見直しを行い、アンブロキソール塩酸塩の第2類移行を了承した。今冬に開催される薬事分科会で承認され次第、第2類として販売される。

アンブロキソール塩酸塩を2類へ移行 
 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は先ほど一般用医薬品のリスク区分の見直しを行い、アンブロキソール塩酸塩の第2類移行を了承した。今冬に開催される薬事分科会で承認され次第、第2類として販売される。『アンブロキソール塩酸塩』は、痰を出しやすくする薬理作用を有しているスイッチOTC薬で、同成分は医療用現場で多く処方されている。同部会は、気道粘液分泌促進作用を有する去痰成分「塩酸ブロムヘキシン」が第2類に区分されていることから、異論なく承認された。

昨年のインフルワクチン、4800万回分を破棄
 昨年緊急輸入などを行った新型インフルエンザワクチンのうち、4800万回分(約2400万人分)の数量を廃棄していたことがわかった。先ほど開催された第1回「新型インフルエンザワクチンの流通改善に関する検討会」の中で厚労省が公表した。これに対して出席委員からは、国のパンデミック対策に関するずさんさや、計画性の無さに関して厳しい意見が示された。
 
メタボ対策系OTCの効果に厳しい指摘
 メタボ対策系OTC薬の服用をやめる理由は「効果がない」――。このほど小林製薬が実施した生活者調査から、このような傾向にあることがわかった。その一方で潜在ニーズでは現状の約2・5倍の拡がりをみせる可能性も指摘しており、正しい啓発が重要だとの認識を示している。

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